総理大臣として政権を担うシステムなので
実質的には三権分立が出来ておらず、立法(国会)と
行政(内閣)が一緒になってしまっています。
国会議員って「政治家」と呼ばれていますが、本来は政策、法案の
審議、可決(否決)が役割なわけで、政治を行う立場の人たちでは
ありません。
あえていえば、内閣に加わって行政に携わることになって
初めて・・・「政治家」と呼ぶべきかと。
現状のシステムの場合は与党が内閣と一緒に政治を行う形なので、
与党自民党議員は広い意味では「政治家」ですが
少なくとも野党議員は政治家ではない、と個人的には思っています。
本来は行政(内閣)が打ち出した政策法案を行政から独立した
国会が審議し、可決、否決、の判断(多数決)を行うことで
行政の暴走を抑える役割を果たす、ことになるわけですが、
今のシステムだと行政≒立法(内閣≒国会)なので、
内閣がやりたい法案は国会を素通し・・・特に今のように
衆議院で与党が2/3を占めている場合には参議院で否決しても
どないもならない独裁状態になってしまいます。
・・・独裁、と書くと聞こえが悪いですが、あまり無茶をすると
次の選挙で政権を取れなくなる危険性があるわけで、
一応、民衆の監視下、管理下、に置かれてはおり、
その意味では民主主義に変わりはありません。
・・・で、今回の安保法制について。
強行採決、とかそんな報道で煽っていますが、ルールにのっとって
普通に採決しているだけで実際には「強行」でもなんでもなく
採決拒否をしている野党側の方がむしろ、自分たちの役割を
放棄しているだけのこと。
それこそ野党議員を刃物かなんかで脅しつけて、強引に賛成させたとか、
勝手に賛成票に書き換えた、とかならば「強行」かも
しれませんが(笑)
国会が多数決で決まる場所である限り、今回の採決に関しても
何も法的に問題はありません。
嫌なら自分たちの党の議席数を増やす努力をするしかないですね。
内容については結局のところ、「性善説」か「性悪説」で
完全に二極化している感じ。
(中には反対のための反対、というアホも見受けられますが:爆)
「いくらなんでも何もしない国に一方的に侵略はしてこないだろう、
同じ人間だもの、話せばわかるはず」
まぁそう信じたい気持ちもよくわかりますが、平和、とされる
日本国内を見ても殺人、強盗、恐喝、といった類の犯罪は後を絶たず、
いわんや日本ほど平和ではない他国では・・・推して量るべし。
実質的に緊張状態にある関係の国もあり、こちらがいくら
戦争をしない、と宣言したところで「ふーん、でもこっちはやるよ?」
という国も近隣にいたりするわけで、普段の生活では意識しなくとも
実は危機的な状況に突入しかねない、もしくはすでにその兆候は
そこかしこで起こっている、ということは理解しておいた方が良さそう。
他国には他国のお家事情があるわけで、一方的にこちらが信頼を寄せても
裏切られたり、いいように利用されたり、ということは
現実に起こっている事実だと思います。
百歩譲って、国民の間で
「戦争放棄してるんだから武器なんていらないやん、
集団的自衛権なんて戦争に巻き込まれるのは勘弁して欲しい」
という意見を言うのはまだわかりますが、日本の、日本国民の
安全を守る立場の政治家たちが、理念とか「あるべき」論を建前に
現実の安全についてから目を背けるのは・・・ダメでしょう。
個人的な信条とか、そういうのに殉じる気持ちもわかりますが、
それを周りに押しつけて、
「大丈夫、何もしなくても安全だから」
で済まされる問題ではありません。
現実的な国際状況に合わせた法整備は必要だと思いますし、
有事に際してしっかりと対応出来る能力も必要。
もちろん、実質的に戦力となる米国と足並みを揃えることも
重要だと思われます。
憲法にしても何にしても、そもそも「日本国民が安全、安心に暮らせる」
ためにあるわけで、現実にそぐわなくなっているなら
当然変更はすべきこと。
目的は「安全、安心」、憲法も法律もそのための一つの手段に過ぎず、
本来は手段である憲法をたてに、安全、安心をないがしろにしては
正に本末転倒だと思われます。
他国が攻めてこようと、日本が危険に脅かされようとも
自分の手で、もしくは自分たちでは何もしたくない、
勝手に侵略でもなんでもされてくれ、自分たちは関係がない、
という人たちは是非、自宅の鍵を開けて待っていて貰いたいですね。
強盗に入られても平和的解決を望むばかりなんでしょう?
(ちょっと極端ですが:爆)
