単勝オッズ1.3倍とダントツの人気となったゴールドシップから
大きく離れてエアソミュールが8.1倍、フェイムゲームが8.3倍。
まさしく「1強」といったオッズ構成。
昨年は乱ペースになりましたが、今年は中山らしい前優勢の流れに
なると想定して、前から差せる馬を中心に考えてみましたが・・・
予想は→ココ
結果は・・・
1着 クリールカイザー 2.13.6 上がり34.4
2着 ミトラ 11/4
3着×エアソミュール
4着×マイネルフロスト
5着×ディサイファ
7着◎ゴールドシップ
10×ダークシャドウ
※全着順は→ココ
い、岩田・・・(T_T)
逃げ馬不在、というメンバー構成の中、どの馬が行くのか微妙でしたが、
外から被せてなんとクリールカイザーが先頭へ。
乗り替わった田辺騎手の積極性が光ります。
続いてミトラ、ラインブラッド、セイクリッドバレー。
ディサイファも好スタートを切ったものの、スッと下げて好位をキープ。
中段にパッションダンス、エアソミュール、その後ろにオーシャンブルー、
外枠の馬が被せて行ったことで、最内のダークシャドウは下げて追走。
ゆったりとスタートを切ったゴールドシップは少し押し上げたものの、
中段後方に待機。
マイネルメダリスト、ユニバーサルバンクが続き、マイネルフロストは
後方から押し上げて行く形で中段へ。
後方にマイネルディーン、フラガラッハ、ショウナンラグーン、
最後方にフェイムゲームという態勢。
12.6-11.7-13.4-13.2-12.1-11.9-12.1-12.0-11.4-11.2-12.0
前半1000m 63.0
後半1000m 58.7
【ラップ比較】

前半1000mが63秒台になったのは不良馬場となった12年を除けば
01年からみてもこれが2回目。中間ラップの13.4というのは
良馬場では過去最遅(爆)
グラフ上でも突出してペースが落ちているのがはっきりわかります。
序盤をスローでまとめて各馬が折り合いを考えて控えたところで
一気にペースアップ。1000m過ぎからは逆に平均よりも速いペースで
引っ張る形を作っています。
後半にずっと加速が続く形を作ることで、外を上がって押し上げて行きたい馬は
位置を思うように上げることが出来ず、隊列は長いままをキープ。
完全に田辺騎手の作戦勝ち、というラップになっています。
コーナーに向けてさらに加速が続き、セーフティリードがあることを
確認した田辺騎手(クリールカイザー)はラインブラッドに先頭を譲って
一旦、スッと息を入れて最後の直線のための余力を残しにかかる完璧な騎乗。
【直線に入った直後の位置取り】

パッと見ではっきりわかりますが・・・こうなってしまっては
どないもこないも出来ません(爆)
エアソミュールと並んでマイネルフロストが追いかけてきましたが、
クリールカイザーが見事な逃げ切り勝ち。
くっついて行ったミトラがコバンザメ2着。
エアソミュールがクビ差で3着に入線しました。
★レース後のコメント
1着 クリールカイザー(田辺騎手)
「ゴールドシップをどうしたら負かせるかというのがまず頭にありました。先手を主張しようと
思っていました。途中で思いがけない馬に捲くられましたが、リズムを崩さずに
自分から上がって行くことが出来ました。思い通りの競馬でした。初めて乗るので、
折り合いで未知の部分が多かったのですが、引っ掛かることなく、うまく辛抱してくれました。
展開はどうあれ、ゴールドシップと戦えて負かしたのがすごいことです。胸を張って
GIで戦っていけると思うので、楽しみです。去年は、同じ相沢郁厩舎のヴェルデグリーンで
勝たせてもらって楽しみにしていましたが、残念なことになってしまいました。
また先生が同じチャンスをくれて、結果を出せて良かったです」
2着 ミトラ(柴山騎手)
「前につけて行きました。外から他馬に来られて少しハミを噛んでいましたが、
よく頑張ってくれました。2200mも問題ありません」
3着 エアソミュール(C・デムーロ騎手)
「今日はレース直前にハミを普通のものに交換したのが利いてくれて、
1コーナーまでスムースに運べましたが、馬場が硬いこともあり、
前が止まってくれませんでした」
4着 マイネルフロスト(松岡騎手)
「これを使ってまだ良くなりそうです。レースを覚えてきています。
少し掛かるところもありましたが、スローでしたし、仕方ありません」
5着 ディサイファ(四位騎手)
「スタート次第では逃げてもいいと思っていましたが、他の馬が来たので控えました。
1コーナーの馬群の並び方なら面白かったのですが...。まだベストの条件がつかめませんが、
"やれる"という手応えも感じました」
7着 ゴールドシップ(岩田騎手)
「ゲートは出たのですが、勢いに乗れませんでした。すごく調子は良かったのですが、
外々を回らされて嫌気が差したのでしょうか。モタモタしてしまいました」
12着 フェイムゲーム(北村宏騎手)
「駐立は良かったのですが、二の脚がありませんでした。出来るだけ前で運びたかったので、
意識的に出して行ったのですが、思ったところにつけられませんでした。
体力やスタミナは不安がないので途中で押し上げましたが、遅れを取り返せなくて、
脚を余す形になりました。道中の感じは悪くないのですが、ゲートを出てくれれば...
と思います。前につけられなくて申し訳ないです」
昨年のこのレースを制したヴェルデグリーンは癌による腸閉塞により、
8月に亡くなってしまっていたわけで、鞍上だった田辺騎手としては
かなり強い意志をもってこのレースに臨んでいた模様。
明確にゴールドシップ対策を打ち出したレースの作り方は正に完璧でした。
後半に捲り上げていくタイプのゴールドシップにとっては
ここまで極端な後傾ラップ、それも急流勝負をされてしまうと
位置を上げることも出来ませんし、さらに前の馬の脚が止まらないので
単純な脚比べのキレ勝負では・・・持ち味がまったく活かせません。
超スローになったところで、先団に取り付くような形に持って行けば
チャンスはあったかもしれませんが、前半でそこまで思い切った判断を
岩田騎手に求めるのは酷かと思います。
能力的に衰えたというわけではなく、単純に・・・苦手パターンがあるタイプ、
というか、逆に言えば後半に前がバテる消耗戦じゃないと本来の能力は
出し切れないわけで、天皇賞春で勝ち切れない理由を改めて
露呈してしまった感じかも。
今回のレースは正に天皇賞春をイメージしたような展開なわけで
本番でも同様の騎乗が出来るならば・・・クリールカイザーは
面白い1頭になるかもしれませんね(^^)g
それにしてもやっぱり、こういう「意思を持った騎乗」というのは
観ていて面白いですね。強い馬がいても「どうやったら負かせるか」を
練りに練って・・・ここまで上手くいくのは稀かもしれませんが、
やはり、それでこそ騎手が役割を果たした、と言えるのではないでしょうか。
競馬は馬だけはない、ということを示したレースだったという印象。
今後も田辺騎手の一発には注目していきたいと思います♪
