結局、最後にまとめることが出来なかったシンザン記念(京都1600m)について
振り返っておきたいと思います。
上位人気馬にも不安があり、全体的に低調なメンバー構成。
各馬について見たところでも「これは!」と期待感を持てそうな馬が見つからず、
どこからどう考えるべきかも・・・
結果は・・・
1着グァンチャーレ 1.34.8 上がり33.7
2着ロードフェリーチェ アタマ
3着ナヴィオン
※全着順は→ココ
好スタートを切ったナヴィオンはスッと下げ、内からレンイングランドが
ハナを奪って逃走。
クインズロンベールが続き、内からノースストーム、サトノフラムが前へ。
クイーンズターフを追ってメイショウマサカゼ、ヤマニンマンドール、
ダンツメガヒットが並び、少し遅れてグァンチャーレ。
さらに後ろにダッシングブレイズ、ロードフェリーチェ。
いつの間にやら最後方にナヴィオンという態勢。
12.6-11.3-11.8-12.5-11.9-11.5-11.5-11.7
前半800m 48.2
後半800m 46.6
前半800mが48秒台にまで落ち込んだのは・・・05年以来10年ぶり。
シンザン記念は前傾ラップ、平坦ラップ、後傾ラップの3パターンが
出現するレースですが、今年は極端なまでの後傾ラップ。
過去に後傾ラップになった年(03年、04年、05年、06年、07年)の
平均ラップと今年のラップを比較してみると・・・
【ラップ比較1:スローペース】

今年のラップは中間地点(坂の頂上)で大きく緩んでおり、
さらにそこから急激な加速が始まっていることがわかります。
スローペースを維持して後半まで淡々と進んだ場合は前が極端に優勢に
なりますが、3歳最初の時点で後半800mのロングスパートは
相当厳しい負担になってしまいます。
今回ペースを握ったレンイングランドの浜中騎手は14年には
ミッキーアイル、13年にはエーシントップでこのレースを逃げ切っています。
ここ3年を比較してみると・・・
【ラップ比較2:浜中騎手】

今年のペースの作り方は・・・昨年のミッキーアイルとかなり近い形。
ミッキーアイルは後半800mのロングスパートをしっかりこなして
残り1ハロンまで加速し続ける高い能力を示しましたが・・・
レンイングランドは残念ながら直線に入るところで脚が鈍り始めて
しまっています。
直線に入って内で踏ん張ったレンイングランドは体全体を大きく
使った走りで好感がもてますが、さすがに脚の回転は鈍り、
惰性で走っている感じ。
直線入り口で一気にギアを上げて前に詰め寄っていった
グァンチャーレが馬群の外を通って一気に前へ。
コーナーリングで遅れてしまったロードフェリーチェ、
ダッシングブレイズ、ナヴィオンが一団となって追いかけ
ゴールラインで横並び一線!
先に仕掛けた利を活かしてグァンチャーレがシンザン記念を制しました。
2着にはロードフェリーチェ、3着にはナヴィオンが入線。
SS系優勢のレースですが、今年は1、2着をスクリーンヒーロー産駒、
ハービンジャー産駒が占め、コーナーでやっぱり詰めの甘さを見せた(爆)
ハーツクライ産駒が3着。
★レース後のコメント
1着 グァンチャーレ(武豊騎手)
「思ったよりもゲートを出ましたし、道中もリズムよく運べました。4コーナーの手前で
外へ振られましたが、直線でもう一度脚を使ってくれました。前はつかまえられると
思いましたが、後ろからも来ていましたし、何とか我慢してくれという気持ちでした」
(北出成人調教師)
「まだ若いところもありますし、このあとは一息入れます。ジョッキーも
1800~2000mの方が競馬はしやすいかもしれないと言っていましたし、
クラシックも見据えて今後を考えようと思います」
2着 ロードフェリーチェ(四位洋文騎手)
「今日も後ろからのレースでしたが、重賞ですから馬群のすぐ後ろの位置につけました。
ただ、向正面で100mぐらいハミを噛んだところがあって、
直線で前をつかまえられそうな感じで届かなかったのはその分でしょう。
それでも今日はこの相手で十分やれたし、これから楽しみな馬です」
3着 ナヴィオン(福永祐一騎手)
「坂の下りで加速できず、置かれてしまいました。阪神のようなコースの方が
この馬のよさを発揮できるとは思いますが、切れ味がありますし、
力のあるところは見せてくれました」
4着 ダッシングブレイズ(C.デムーロ騎手)
「ゲートは普通に出ましたが、馬がいい動きになるまでに時間がかかって
後ろからになりました。トップスピードに乗るまでに時間がかかるので、
距離は1800mくらいあった方がいいかもしれません。能力を感じる馬です」
5着 レンイングランド(浜中俊騎手)
「今日はマイペースで行けましたし、ゴール手前までよくがんばってくれたと思います」
7着 ヤマニンマンドール(岩田康誠騎手)
「今日は動くのが少し早かったかもしれません。力のある馬ですし、
流れが向けばチャンスはあると思います」
全体としては「スローの早仕掛けによる前崩れを差したレース」
ロングスパートに耐え切れなかった前の馬はそこまで高く評価出来ませんし、
最後に素晴らしい脚を見せた差し馬も末脚の能力は評価できるにしろ、
スローペースで脚を存分にためられた結果であり、コーナーで立ち遅れた
2~4着馬は今後も仕掛けのタイミングが難しくなりそうです。
それぞれに今後の成長を期待したいと思います。
