春の時点での3強の内、ハープスターは凱旋門賞に向かったために不在。
レッドリヴェールはダービーの敗戦を引きずっているのかローズSでも
結果を出せず、一角が崩れた感じ。
ヌーヴォレコルトは順調にローズSを勝って、栗東滞在と万全の態勢で
本番を迎えたわけですが、環境の変化の影響は気になるところです。
伏兵を探したいところですが、今年は一段下のクラスの馬が不在。
悪い意味での大混戦となっており、どこを切り口に狙うか非常に
悩ましい状況。
実績か、騎手か、血統か・・・それとも?
予想は→ココ
結果は・・・
1着 ショウナンパンドラ 1.57.0 上がり34.3
2着◎ヌーヴォレコルト クビ
3着 タガノエトワール
6着〇レッドリヴェール
9着×ディルガ
12×アドマイヤビジン
※全着順は→ココ
個人的なことですが・・・06年からずっと続いていた本命馬の勝利が
ここでとうとう途切れてしまいました(>_<)
ダントツ人気の馬に印を打ちつつも不安点も気になっていただけに
足元を掬える馬を探すべきだったかと猛省です。
先手を取って行ったのはペイシャフェリス。
思い切って被せて強引に行ったことで、気持ちの面でも逸ってしまったのか
後続を引っ張ってかなり縦長の展開を作ってしまいました。
2番手につけたリラヴァティは少し離され、ハピネスダンサー、
バウンスシャッセとともに先行集団を形成。
好位にレーヴデトワール、マーブルカテドラル、マイネグレヴィル、
ブランネージュ。
かなり離れて、ショウナンパンドラが続き、タガノエトワール、
ヌーヴォレコルト、ディルガ。
それを見ながらレッドリヴェール、サングレアルが後方に控え、
オメガハートロック、外を上がってアドマイヤビジン、最後方にセウアズール。
12.0-10.7-11.8-11.8-11.7-12.2-11.5-11.7-11.8-11.8
前半1000m 58.0
後半1000m 59.0
秋華賞のペースは年によってかなりまちまちで、前半を62秒なんていう
こともあったりするわけですが、今年は09年に並んで最速ペースで
前半を通過。前、後ろに馬群が分かれる形になっていましたが、
前の集団にとってはかなり厳しいペースになったと考えられます。
イケイケのペースのまま、上り坂も緩めず、頂点部分でペースダウンしたものの、
息を僅かにいれた程度。
下りに入ったところで一気に急加速してロングスパート・・・
ペイシャフェリスの川島騎手は行くだけ行ってみよう!
という感じの騎乗っぷり(爆)
ハイペースに巻き込まれた先行集団の脚は鈍り、4コーナーまでに
馬群は密集し、直線へ。
内を通って脚をためていたヌーヴォレコルトの岩田騎手はコーナーで
外に出すことを選択、結局これが大きな分かれ目になってしまいました。
外の馬を先に行かせる形になったので、コーナーリングで
かなり大きなロスをしてしまい、隙間を見つけて外に出してみたら
膨らんでさらにロス。
それでも馬群の外をグイグイと伸びて行ったのはさすがはGⅠ馬、
というところでしたが、内を抜けてロスのない競馬をした
ショウナンパンドラに追いつけず、まさかの敗戦・・・。
紫苑S(不良)で2着に入り、出走権を手に入れたショウナンパンドラですが
その前は500万下を勝ったばかりの馬。
春にはフラワーC、スイートピーSと連続5着と上位馬とは差が感じられましたが
なんといきなりGⅠ馬になってしまいました・・・。
(失礼な言い方かもしれませんが、GⅠ馬が500万下の馬に負ける、というのは
正直・・・驚くのを通りこして残念に思えてしまいます)
3着には先に抜けて頑張ったタガノエトワール。
ローズS2着はフロックではなかったことを証明しました。
★レース後のコメント
1着 ショウナンパンドラ(浜中騎手)
「最後は外からヌーヴォレコルトが来ているのが見えたので、何とかと思いながら
追っていました。スタートもスムースで理想的なポジションでしたし、
内をロスなく立ち回れました。元々期待されていた馬が、夏を越して
パワーアップしていましたし、調教から強くなっていると感じていました。
GI馬になれましたし、これからもっと活躍してくれると思います」
(高野友和調教師)
「最高の結果を出すことが出来、皆さんに感謝します。春シーズンの後半、
カイ食いが良くなってきたところで夏を休ませ、グッと身が入ってきました。
前走後は、幸い疲れもすぐ抜け、調整がしやすかったです。
この秋は一つも不安なく来られました。レースではスタートも良く、
ハイペースの中でいい位置取り、これで負けたら仕方ないと向正面で思いました。
直線では後ろからオークス馬も来ていて、ゴールするまでヒヤヒヤで、
ゴールしてからも確信が持てないほどでした。表彰式でオーナーが喜んでくれたのを見て、
いい仕事が出来たと思いました。このまま無事に行ってくれたら、これからが楽しみです」
2着 ヌーヴォレコルト(岩田騎手)
「展開的には、前が速くなって乗りやすかったです。ただ、最後は内と外の差が出たのか...。
チャンスをものに出来ず申し訳ないです」
(斎藤誠調教師)
「道中はいい感じだと思いましたが、勝った馬は空いた内へすんなり行っていましたし、
3~4コーナーで外へ出した分の差かなという気がします。プラス10キロも問題なく、
馬は良かったです。これが競馬なのかなとも思いますし、今日は運が
味方してくれませんでした。この後は火曜日に(一緒に栗東に来ていたこの馬の2歳の)
妹と一緒に美浦へ戻して、次は様子を見て決めたいと思います」
3着 タガノエトワール(小牧騎手)
「悔しいです。勝った馬は内にいてこの馬は外でしたが、もう少し後ろで構えていた方が
最後に伸びたかもしれません。絶好の位置でしたし、(自分の)気が早かったかも...。
前走はあれだけ辛抱していたから最後に脚を使っていた訳ですから...」
4着 ブランネージュ(秋山騎手)
「道中は思い通りでしたが、4コーナーで一瞬ゴチャついた分でしょうか。
着差を考えると悔しいです」
5着 サングレアル(戸崎騎手)
「返し馬からいい感じでしたし、終いもいい脚を使っていました。これからも楽しみです」
6着 レッドリヴェール(福永騎手)
「少し立ち遅れましたが、速い流れの中で1、2着馬を見ながら運びました。
直線もいい感じで外に出したのですが、追い出してから離されてしまいました」
7着 バウンスシャッセ(北村宏騎手)
「好スタートからスムースに流れに乗って、折り合いも良く、集中して走れていました。
これならと思ったのですが...。馬は一生懸命頑張ってくれました」
9着 ディルガ(武豊騎手)
「まったくロスのない競馬でした。力は出せたと思います」
10着 セウアズール(北村友騎手)
「大外枠で前に壁を作れず、テンに余計に力んでしまいました。それでも根性のある馬で、
最後までよく伸びてくれました」
過去の秋華賞からの申し送りと照らし合わせてみると・・・
騎手の面ではリピーターの岩田騎手が2着に入線。
これまで秋華賞では結果が出せていなかった浜中騎手が勝ち、
小牧騎手も複勝圏に入る踏ん張りを見せました。
結果的に初の好走、とはなりましたが、関西の有力騎手という意味で
コース慣れしている点は大きかったかと。
関西初輸送、及びぶっつけ本番の馬はアウト。
地脚の強さに関しては今回は検証していませんでしたが
33秒台の速い脚もつけるし、上がりが掛かる展開でも
強さを見せていた馬が上位に入っています。
この辺りはもう少し煮詰めて考えても良かったかもしれません。
前哨戦で結果を出している馬が上位を独占。
牝馬は調子が重要ですね。
レッドリヴェールは残念ながら復活ならず・・・。
夏の上がり馬の条件は今回、大きく書き換えられる形になりましたが
・・・あえて世代差による例外、としておきたいと思います。
基本的には春の実績馬が強く、上がり馬は1000万下を圧勝レベル、
という形で考えておくべきかと。
今年は平均馬体重自体が軽かったこともあって、
上位を440kg台の馬が独占。
超極端に小柄な馬はやはり×でしたが、馬格がある方が優勢、
とはならなかったので、この点は持ち越し。
血統面ではディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒、
キングカメハメハ産駒、と京都で期待出来る血統がそのまま上位を独占。
上位2頭の母系はノーザンダンサー系、という点も例年通り。
あとは・・・上位3頭は全て社台生産馬、という点も一応
押さえておきたいところ。
昨年は社台グループが全体的に地盤沈下を起こしてしまいましたが
今年はまさに復権。来年はハービンジャー産駒次第ですが
社台グループの活躍ぶりもチェックしておきたいですね。
騎手、という切り口で予想をまとめましたが
終わってみれば・・・「調子(近走の成績)」が一番のポイントでした。
牝馬は「格より調子」・・・というのはわかりますが
それにしても、格の違いがどこにあるのか、と不安になる
レースになってしまった感じ。
今後の古馬との対戦でどうなるのか、注目したいと思います。
