予想通りハープスターはダントツの人気。
2番人気のヌーヴォレコルトがなんとか10倍を切って9.8倍と
なりましたが、あとは軒並み二ケタ以上の単勝オッズ。
秋に向けての壮行レースとなるのか、それとも・・・
予想は→ココ
結果は・・・
1着◎ヌーヴォレコルト 2.25.8 上がり34.2
2着〇ハープスター クビ
3着 バウンスシャッセ
5着△ブランネージュ
7着×サングレアル
11▲フォーエバーモア
※全着順は→ココ
ハナ宣言をしていたペイシャフェリスが予告どおり先頭を切って逃げる展開。
2番手に大外から寄せたエリーザベスト、続いてマイネグレヴィル。
横山典騎手の乗り替わったマジックタイムが今回は先頭集団の後ろ。
うーん、前優勢の馬場状態をわかった上での積極的な騎乗。さすがです。
マーブルカテドラル、ブランネージュが続き、バウンスシャッセが
かわして前へ。
外にフォーエバーモアが並びかけ、その後ろの内にヌーヴォレコルト。
並んでサングレアルが中段待機、外にマイネオーラム。
その後ろにシャイニーガール、パシフィックギャル。
ニシノアカツキの後ろにディルガがつけ、その外にハープスター。
さらに後ろにベッラレジーナ、最後方にクリスマス。
12.4-10.6-12.2-12.8-12.7-12.7-12.8-12.5-12.0-12.0-11.3-11.8
前半1000m 60.7
中盤400m 25.5
後半1000m 59.6
過去のオークス(03年~)の平均ペースと内田博騎手が同条件で
逃げた青葉賞と比較してみると・・・
【ラップ比較】

青葉賞ほどガタガタした極端な緩みではありませんが、
内田博騎手がこの条件で逃げた場合はおおよそ似たような
パターンとなっています。
向こう正面でペースを落とし、3コーナーからのカーブで脚をため、
カーブの頂点から直線入り口に向けて徐々にペースアップ開始。
通常のオークスのような急加速勝負ではなく、ジワジワ脚を使わせる逃げ方。
後方から前に詰めていきたい馬にとっては少し厳しい展開となっています。
直線に入って前での競い合いからマイネグレヴィルが抜け出し、
馬場中央外で激しく追ったサングレアルの内で手綱を動かさず
じっと我慢していたヌーヴォレコルトの岩田騎手ですが、
前が空いたところで一気に追い出し開始。
あっという間に前の集団をとらえてそのまま突き抜けるか、という
感じになりましたが、内からバウンスシャッセが迫り、
外から・・・ハープスター!
わずかに凌ぎ切ってヌーヴォレコルトが見事に桜花賞のリベンジ達成。
1頭だけ33秒台の末脚を使ったハープスターはさすがというべきでしたが
僅かに届かず、2着まで。
バウンスシャッセがタフな脚を使って3着・・・内田博騎手の
逃げ方をもう少し煮詰めて考えれば、キレる脚より地脚の強さを
評価出来たかも・・・詰めが甘かったです。
4着に入ったニシノアカツキは考察で末脚を評価していた馬。
超人気薄になっていましたが、高い能力があるので今後が楽しみです。
★レース後のコメント
1着 ヌーヴォレコルト(岩田騎手)
「距離も2400mありますし、左回りも得意なので、正攻法のレースが出来ました。
道中もうまく折り合って我慢が出来ました。直線では、前が空くのを待って追い出しました。
(外からハープスターが来ていたが)必死にゴールまで追いました。
この馬は落ち着いていることがいい点です。3週間前に、後藤騎手の落馬で、
自分の不甲斐なさを感じて反省しています。1日でも早く復帰をしてもらいたいです」
(斎藤誠調教師)
「重賞を使う時、いつもはドキドキするのですが、今日は不思議と平常心で臨めました。
ここまで順調にやって来られましたし、全部がうまく行ったので、安心していました。
母の父がスピニングワールドですから、この点を見るとマイルまでかと思いますが、
やはりハーツクライですね。一戦毎に強くなっています。岩田騎手とは特に何も話をせず
今日を迎えましたが、パドックで"勝てるレースを"とだけ話しました。
レースは中団につけ、ペースがガクンと落ちたところでどうかと思いましたが、
直線、さすがにGIは厳しく、行き場がなくなる場面もありましたが、あそこで
一息入れられたのだと思います。そして、この馬は本当に精神力がすごいと思います。
2度負けている強い馬がいましたから、この一戦のことだけを考えていました。
ですから、今後のことはまだ考えていません。この後、どこまで成長してくれるのか
楽しみです」
2着 ハープスター(川田騎手)
「ゲートはいつも通り出て、二の脚もいつも通りつきました。しかし、2コーナー過ぎで、
前にいる馬が外へ広がって、また元に戻った際に接触しかけて多少力んでしまいました。
それ以外は道中はリズム良く行けて、直線での雰囲気もいつも通りでした。
外へ出したのですが、内にササりながらで、前に進みづらくなってしまいました。
結局、進みきれないままゴールしました。結果的には弾け切らなかった感じです。
支持をいただきながら結果を出せなかったことは申し訳ないです」
(松田博資調教師)
「反応はもう一つだったでしょうか。よく走った方だと思います。
一番強いことは間違いないですから。距離は関係ないと思います」
3着 バウンスシャッセ(北村宏騎手)
「仕上がりは良かったです。うまくスタートを切って、いい競馬は出来ました」
4着 ニシノアカツキ(勝浦騎手)
「一瞬、夢を見ました。状態は前走時よりも良かったです。道中はリズムを崩さず乗り、
終いはいい伸びでした。負けたことは悔しいですが、GIでもやれるところは
見せてくれましたし、頑張ってくれました」
5着 ブランネージュ(秋山騎手)
「頑張っていますが...。プラン通り行けましたが、最後は止まってしまいました。
少し長かったのかもしれません。秋はもっと条件が良くなると思いますし、
楽しみです。今日はスタッフがよく仕上げてくれていました」
6着 マーブルカテドラル(田辺騎手)
「流れに乗れましたが、後ろの馬とツメが当たってしまい、気にしていました。
スムースに何もなく通過出来ていれば...。初の2400mで、余力なくなって
フラフラしていました」
7着 サングレアル(戸崎騎手)
「道中はリズム良く運べましたが、少し我慢したかったのですが、早めに動く形になりました。
馬体減はあまり感じませんでした。力のあるところは感じられました」
8着 マイネオーラム(松岡騎手)
「引っ掛かってしまいました。歓声でエキサイトしてしまいました」
10着 ベッラレジーナ(藤岡康騎手)
「ワンテンポ、スタートが遅れました。脚は使っていますが...。揉まれて成長していけば...」
11着 フォーエバーモア(蛯名騎手)
「うまい形で運べて、行きたがってはいましたが、許容範囲でした。
直線でもビュッと反応して、頑張れそうだと思いましたが、パタッと止まってしまいました。
それが2000mくらいのところでしょうか。距離が長かったです。
馬の感じが良くて、スムースに走ったのですから、仕方がありません」
12着 クリスマス(三浦騎手)
「マイル~1800mくらいの距離が合っていると思います」
14着 シャイニーガール(田中勝騎手)
「思っていたようには乗れませんでした。少し力んでしまいました」
15着 ディルガ(浜中騎手)
「具合が良く、仕上がっていました。スタートは良かったのですが、
トビが大きくて二の脚が使えませんから、前につけられませんでした。
ペースが上がってから、周りが強くて置かれてしまいました。これから先の馬だと思います」
17着 ペイシャフェリス(内田博騎手)
「少し速かったかもしれませんが、うまく運べました」
18着 エリーザベスト(川島騎手)
「自分のレースは出来ましたが...」
ハープスターを倒すとしたら内を抜けて早めに出て来れるヌーヴォレコルト、
と考えたのであれば、同様に内でスムーズな競馬が出来そうな馬を
狙うべきでしたね。バウンスシャッセに印が回らなかったのは
反省材料としておきたいと思います。
後半にタフな展開になったことでフォーエバーモアは
血統的な距離の壁が影響してしまったのかも。
ネオユニヴァース産駒は中距離適性が極端に高く、長距離になると
ガクッと低下する傾向があるのですが・・・目をつぶってしまいました(涙)
川田騎手がしくじった、とは思いませんが、東京慣れ、大舞台慣れ、
という点で岩田騎手に一日の長があった感じ。
自分の競馬に徹したハープスター(川田騎手)に対し、いかにハープスターを
倒すかを練りに練ったヌーヴォレコルト(岩田騎手)の違い。
競馬は馬だけでなく、騎手と馬とが力を合わせてゴールを目指すものだと
いうことを改めて感じるレースだったと思います。
