けいけん豊富な毎日

海外の名馬(シアトルスルーpart3)  担【temporalis】

最終章【そして伝説へ・・・

明けて4歳馬となったシアトルスルーですが大病の後という事で一度5月の
一般競争(D1400M)を8馬身1/4差で楽勝した後、もう一度3ヵ月休養をとり
8月の一般競争(D1400M)に出走、ここも6馬身差で軽く勝ちますが続く
パターソンハンデキャップ(G2、D1800M)ではクビ差の2着に敗れてしまいます。
〈やはりまだ本調子ではないのか?〉そんな不安説の流れる中、
次走マルボロカップ(G1、D1800M)で世紀の対決を迎える事になります。

そこで対戦したのは一歳年下の三冠馬アファームド、史上初の三冠馬対決
アメリカ中が沸き返りました。
1番人気はアファームド、地味なシアトルスルーに対して雄大な馬格を誇る
怪物アリダーとの死闘の末三冠を達成したこの華奢な栗毛馬は人々の心を
掴んでいたのです。
生涯初めての2番人気に甘んじたシアトルスルーでしたが先輩三冠馬として
負けるわけにはいきません。
スタート後勢い良く先頭に立つシアトルスルー、離れた2番手を
アファームドが追走します。
400M通過が約24秒、800M通過が約47秒、1200M通過が1分10秒1、
淡々とレースは進み最終コーナーへ。
ここでアファームドがインに入れてシアトルスルーとの差を詰め
2馬身差くらいになったでしょうか、いよいよ直線に入りここからが
三冠馬同士の意地のぶつかり合いです。

逃げるシアトルスルー、追うアファームド。
しかし、その差は詰まりません。
1600M通過は1分33秒3、逆にジワジワ差を広げるシアトルスルーに
アファームドは追いつけそうもありません。
そして貫禄のゴールイン!先輩三冠馬は後輩三冠馬を3馬身後方に置き去りにして
1分45秒4のタイムで駆け抜けたのでした。

続くウッドワードS(G1、D2000M)では欧州から移籍して来た芝G1を5勝している
強豪エクセラーを迎え撃ちました。
このレースも前走マルボロカップの再現のようなレース展開でエクセラーを
4馬身差に退けて王者の威厳を示しています。
こうして完全復活を果たしたシアトルスルーは当時のアメリカ最高峰のG1である
ジョッキーゴールドカップS(D2400M)へと駒を進めました。

ここでまたもやシアトルスルーはアファームドと対戦する事になります。
アファームド陣営も二度続けて負ける訳にはいかないとペースメーカーとして
ライフズホープという馬を送り込みました。
要するにこの馬とシアトルスルーを競い合わせて潰してしまおうという作戦です。
この日シアトルスルーはスタート直前にゲートを開けて飛び出してしまうアクシデント
不穏な空気が流れます。
仕切り直していざスタート、しかし今度はアファームドにアクシデントが起こります、
鞍がずれてしまったのです。
このアクシデントによりアファームドが暴走、ラビットとして用意した
ライフズホープを差し置いて自分がシアトルスルーに競りかけていってしまったのです。
慌てて手綱を押して追いかけるライフズホープですがシアトルスルーと
アファームドが速過ぎてアップアップ、早々にお役御免となりました。
とにかく2頭のペースは猛烈でした、800m通過が45秒2、1200m通過が1分9秒4・・・
とてもダート2400M戦のものとは思えません。

この日はあちこちに水溜りが出来るほどの最悪の馬場コンディション、
日本のダートは砂で雨で脚抜きが良くなりますがアメリカのダートは土、
ぬかるみを走っているようなものですからその消耗度は想像を絶しますね。
そんな中、スピード能力では一枚上のシアトルスルーが徐々に引き離して行きます。
意地で差を詰め返そうとするアファームドですが、もう逆転する力が残っていないのは
明らか、シアトルスルーが振り切ったと思われたその時でした。

遥か後方から一気にワープしてきたかのような馬が一頭、突如として画面に現れました。
エクセラーです!
最終コーナー手前で内からシアトルスルーに並びかけたエクセラー、
両馬ビッシリ馬体を合わせたまま直線へ。
火の出るようなたたき合いが続きますが流石に前半あれだけ無謀なペースで飛ばした
シアトルスルーに分が悪く、遂にエクセラーが1馬身ほど前に出ます。
《 勝負あった 》誰もがそう思ったその時、信じられない光景が。
何という事かシアトルスルーがゴール前また差し返して来たではありませんか!

Seattle Slew、coming back again!

実況が叫びます。

1馬身差が3/4馬身、1/2馬身、クビ、頭、そしてハナ・・・
そこがゴールでした。
エクセラーは三冠馬2頭をまとめて負かす大金星、しかしこのレースはシアトルスルー
恐ろしいまでの勝負根性を発揮した魂のレースとして語り継がれる事にもなったのです。
このレースこそシアトルスルーのベストレースと賞賛する人は多いですね。
その後スタイヴェサントH(G3、D1800M)を勝ったのを最後にシアトルスルーは引退します。

生涯成績17戦14勝、2着2回、4着1回、内G1 9勝

輝かしい実績を引き下げ種牡馬入りしたシアトルスルーはここでも素晴らしい
成績を残します。
初年度からスルーオゴールドを出しいきなり北米リーディングサイアーに輝くと、
スウェイル、カポウティ、エーピーインディ、等々名馬を次々と世に送り出して
ボールドルーラー系の救世主となりました。
日本でもダンツシアトル、タイキブリザードのG1馬2頭を輩出、宝塚記念での
ワンツーフィニッシュの記憶が蘇ります。
彼の息子達もエーピーインディを筆頭に後継種牡馬として相当な成績を残しており、
今後もシアトルスルー系は広がっていきそうですね。


魂の競走馬シアトルスルー、その血よ永遠に。 by temporalis


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【ジョッキーゴールドC】


映像を観ただけでもわかる異常なハイペースの叩き合い!
これは凄いですね・・・。
ダイワスカーレットとウオッカの壮絶な叩き合いとなった
あの天皇賞秋を思い出してしまいました(^^)g

日本では母系に入ってスピードを強化している印象のシアトルスルーですが
是非、父系としても日本の血統界で活躍していって貰いたいものです。

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