好天に恵まれた京都競馬場で
菊花賞が行われました。
皐月賞馬ゴールドシップは
単勝1.4倍と極端な1本被り。
2番人気が10倍を超えており、逆にその他の馬はどんぐりの背比べ
というか、どの馬も信用に欠けるために淡い期待を受けて横並び、
という感じのオッズになりました。
予想は→
ココ結果は・・・
1着○ゴールドシップ 3.02.9 上がり35.9
2着 スカイディグニティ 13/4
3着 ユウキソルジャー
4着×ベールドインパクト
9着◎マウントシャスタ
11▲ニューダイナスティ
14△タガノビッグバン
15×ビービージャパン
※全着順は→
ココスタート時点では少し押して行こうとしたゴールドシップの内田博騎手でしたが
思ったよりも行き脚がつかなかったことで、プラン変更。
スッと最後方にまで下げて、体をほぐすようにゆったりと走る形を選択。
ハナを奪ったのは想定どおりビービージャパン。
2番手にコスモオオゾラ、タガノビッグバンも一緒に上がって前につける形。
思った以上に前に行く馬が多く、2番手以降の馬はダンゴ状態になってしまい、
なかなか内のポジションが取れない状況。
好位の外からトリップが脚を使って2番手に上がり、
続いてフジマサエンペラーも前に上がって3番手の外。
コスモオオゾラ、タガノビッグバンは内に控え、その後ろにアーデント。
先行を期待したニューダイナスティは好位集団の馬群の中。
その外をマウントシャスタが上がって行き、エタンダール、
フェデラルホールは中段を追走。
中段後方にスカイディグニティ、ユウキソルジャー、さらに後ろに
ベールドインパクト、ラニカイツヨシ。
ゴールドシップは後方から2番目、最後方にダノンジェラートという態勢。
13.0-11.9-12.2-12.2-11.6-11.6-12.6-12.5-12.3-12.2-12.5-12.2-11.9-11.8-12.4
前半1000m 60.9
中盤1000m
61.3後半1000m 60.7
前半1000mを60.9というペースは少し速めながらまだいいですが、
中盤1000mを
61.3というのはかなり速いペース。
例年、13秒台に落として息を入れる区間になるわけですが、
今年は
最も緩んだラップが12.6・・・これは
過去に例を見ないほどの
締まったペースだと考えられます。
本来なら
大逃げになってもいいようなペースだと思われますが、
後続集団が離れずについていく形になり、むしろ馬群は
ダンゴ状態。
後方を追走していた
ゴールドシップはペースが速い割に先頭と
それほど差が開いていないのを見計らって、
3コーナー手前で一気に前に進出。
そのまま行ってしまいそうになるところを、スッとなだめて
好位の外で
一旦息を入れて、そのあとのロングスパートに備える辺りは
内田博騎手の
見事な手綱捌きだったと思われます。
ゴールドシップの進出にすぐさま反応したのが・・・
メンディザバル騎手。
京都の長距離経験はなかったものの、強い馬1頭に狙いを定め、
ゴールドシップにくっついて前へと進出。
うーん、慣れないコースでも
強い相手と同じ騎乗をすることで
相手の経験値を自分のものにする、という点は抜け目がないというか、
まさにスナイパーのような騎乗ぶり。さすがです。
日本人騎手で同じようにゴールドシップに合わせて行ったのは
佐藤哲騎手(ラニカイツヨシ)と
四位騎手(ベールドインパクト)の2名。
ゴールドシップに離されないように呼吸を合わせて前に進出。
思ったよりも早く前に詰められたのに驚いたように
マウントシャスタの川田騎手が4コーナーで先頭に立ち、
ゴールドシップに応戦しましたが、早目に前に上がって脚を使ってしまったこともあり、
余力なく脱落・・・
あっさりとゴールドシップが先頭に立ったところにスカイディグニティが
迫りますが、さらに突き放して
ゴールドシップが圧倒的な能力を見せて2冠達成!
一旦はスカイディグニティに迫ったベールドインパクトが力尽きたところを
ユウキソルジャーが中段から差し切って3着に入りました。
うーん、さすが
トーセンダンスの血・・・(^^;
★レース後のコメント
1着 ゴールドシップ(内田博騎手)
「
このメンバーで、GIホースとして強いレースをしなければと思いました。
馬もよく走っています。馬場入りの時、元気のいいところを見せていたので、
これなら弾けてくれるのではと思っていました。
前に行ければある程度のポジションでと思っていましたが、行き脚もつかなかったので
腹を括って後ろから包まれないようにレースを運びました。
ペースも落ち着いたので、早めに動いて、あまり外を回されすぎないようにしました。
この馬は後ろから来られても簡単には抜かせませんからね。
とにかく1番人気に応えることが出来て良かったです」
2着 スカイディグニティ(友道康夫調教師)
「
惜しいところまで来ましたね。でも十分です。初めてのGIで
これだけの力を見せてくれました。夏を越えて本当に力をつけています。
最後は内と外との差があったかもしれませんが、距離は大丈夫ですね。
春の天皇賞を目標に今後は頑張っていきたいです」
3着 ユウキソルジャー(秋山騎手)
「
4コーナーで、1、2着馬に離されてしまいました。そこでついて行ければ
とも思いますが、まだこれからの馬です。
今日は変則ペースの中、上手に走っています。次、頑張っていきたいですね」
4着 ベールドインパクト(四位騎手)
「
スタンド前で引っ掛かりました。結果論ですが、ゴールドシップと同じ競馬をしても
良かったかもしれません。内枠でポジションを取りに行こうとしたのですが、
ゴチャついて他の馬に擦られて、スローで折り合いを欠いてしまいました。
それでも最後は一瞬オッと思いましたし、もう少しうまく乗ってあげられれば…」
5着 ラニカイツヨシ(佐藤哲騎手)
「
出たなりの位置から1周目の下りはうまくハミが抜けたのですが、
2周目の坂では少しリズムがうまく行かないところがありました。
ただ、GIレースで準オープンの身で本当に頑張っています。
この馬にとってもいい経験になったと思います」
7着 ダノンジェラート(三浦騎手)
「
キャリアを考えたら頑張っていました。でもこの馬にはいい経験になりました。
1戦1戦、成長して変わっています」
8着 フェデラルホール(吉田隼騎手)
「
本当は、1、2着馬の後ろにいましたし、それについて行きたかったのですが…
ついて行くことが出来ませんでした。ただ、今後力をつけて行けば
もっとやれると思います」
9着 マウントシャスタ(川田騎手)
「
いいところにつけて、道中はリズムも良かったです。
ただ、3コーナーで勝ち馬が早めに来たので動かざるを得ませんでした。
その段階でも手応えはあったのですが、この結果を見ると3000mは
長かったのかもしれません」
14着 タガノビッグバン(太宰騎手)
「
状態は良かったですし、折り合いもついたのですが、4コーナーで
うまく捌くことが出来ませんでした」
17着 コスモオオゾラ(岩田騎手)
「
もう少しパワーが欲しいですね。トモにもっと力がついてきたら、
さらに上を目指せると思います」
前に行く脚質の馬が妙に多い、という点は気になっていましたが、
それにしても
このペースでダンゴで進む、というのは完全に予想外。
前の馬にとって無茶苦茶厳しい流れになってしまいました。
とはいえ、あまり馬群が長くならない中、後方で脚をためたといっても
それなりに速い流れを追走した
ゴールドシップがさらに速い脚で前に進出し、
最後まで脚を伸ばし切ったというのは非常に高く評価して良さそうです。
レースぶりは昨年のオルフェーヴルに引けを取らない内容。
キレ味は微妙でも
機動力と長く良い脚を使える馬なので
有馬記念に出てくることがあれば本命候補になるかも?!
スカイディグニティは・・・もっと高く評価して良かったですね。
推定上がり3ハロンでもゴールドシップを追いかけられる感じが
あっただけに、我ながら目が曇っていたとしか言いようがありません。
メンディザバル騎手の手腕も大きかったと思いますが、
ゴールドシップと同じような競馬をして、それに対応出来たということは
高い能力があることの裏づけになると思われます。
ブライアンズタイム最後の大物になるのかもしれない馬だけに
今後も順調に成長していって貰いたいものです。
馬体重の面でも血統を活かして3着に入ったユウキソルジャーを
除けば1、2、4着は全て
480kgオーバーの馬。
自分で考察しておいて、条件に合わないマウントシャスタに◎を
打った自分をぶん殴ってやりたいですね(T_T)
荒れることに期待し過ぎた欲ボケ心・・・猛省です。